香港のフィンテックスタートアップである「Neat」が提供するモバイル銀行口座サービスがあります。
公式サイトのFAQに「Neat is a mobile current account.」と書かれている通り、モバイルでの利用を前提とした銀行口座サービスです。
香港在住者がメインターゲットなのだと思いますが、日本在住でも口座開設することができ、プリペイド型とはいえ香港ドルで決済できるMasterCardが手に入るということもあり、2017年にこの口座を開設しました。
口座開設してから随分時間が経ちましたが、ようやくまとめてみようと思います。
Neatのサービスについて
2016年と少し古い記事ですが、 THE BRIDGE に以下の記事がアップされていました。
http://thebridge.jp/2016/04/thats-neat-hong-kong-based-neat-to-launch-banking-app-that-tells-how-much-you-can-spend-today-20160329
記事の内容から抜粋です。
Neat は銀行と提携しており、カードとスマートフォンアプリの両方を利用する。
ユーザはわずか10分ほどで完了する銀行口座の設定、セキュリティ用の指紋スキャンと顔認証の設定をするだけでよい。このアプリでは送金、口座残高の確認、口座への入金ができる。また、オフライン、オンラインどちらの購入にも利用できる。
さらに Neat は予算も立ててくれ、節約に貢献してくれる。お金を使うごとに通知が届き、毎日どの程度使えるのか示してくれるのだ。
「銀行支店などいらなくなるほど先進的で現代的な銀行機能の提供」することを狙ったサービスとなります。
ICT Fintech award 2017 を受賞している注目のフィンテックサービスです。
Neat の特徴
Neat の特徴をざっとまとめると、以下のような感じでしょうか。
- スマホアプリが前提となったサービス
- 口座開設にあたり、住所証明や収入証明が不要
- プリペイド型MasterCardを使えば、オンライン・オフライン問わず決済可能
- 月額利用料などは不要
- 香港の銀行口座番号の提供(この口座に対して支払いを受けられる)
- 個人間での無料送金
あとは、個人的には香港ドル決済というところも、興味があったポイントです。
保証について
カードを不正利用されてしまった場合にどうなるのかは、以下のFAQに記載がありました。
基本的には、MasterCardのルールによって保護サれるようです。
もしNeat社が倒産してしまった場合は、お金はICBC(中国工商銀行)によって保護されると書かれています。
具体的にどう保護されて、どのようにお金を引き出すことができるのかは、もう少し調べてみる必要があります。
日本のペイオフ的な感じなのでしょうか。
口座開設
まずは、Neat の口座を開設しましょう。
手続きは簡単で、全てアプリから手続きできます。
アプリのダウンロード
まず、以下からNeatアプリをダウンロードしましょう。
iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/neat-app/id1164004921?mt=8&at=1010lvhC
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=hk.neat
アカウント作成
ダウンロードしたNeatアプリを起動して、アカウントを作成します。
アプリから、パスポートを撮影し、自分自身を自撮りして写真を送信すると、本人認証が完了するという、いかにもフィンテックっぽいプロセスになっています。
必要情報を入力し、自分自身とパスポートの写真を撮影して送信しましょう。
しばらくすると、香港からNeat Cardが送られてきます。
私の場合は、アカウント作成から2週間後くらいでNeatCardが届きました。
Neat Cardのアクティベート
カードが手元に届いたら、アクティベートする必要があります。
アクティベート処理も、アプリから行います。
まず、アプリを起動します。
画面右上の「Login」をタップし、メールアドレスとパスワードを入力してログインします。
おそらくカード配送中の画面になると思いますので、画面下部の「Activate card」をタップします。
「Scan card」をタップし、届いたNeatCardを枠内に収まるように撮影します。上下左右の縁にガイドラインがでるので、それを合わせるようにしましょう。
NeatCardが認識されたら、SMSで認証コードが送られてきますので、認証コードを入力しましょう。
Hey! と名前を呼ばれたら、アクティベート完了です。お疲れ様でした。
これで、Neat を利用する準備は完了です。
まとめ
Neat について、口座開設までを簡単にまとめてみました。
Neat社が倒産した場合にどうなるのか、などはもう少し調べる必要がありますが、個人的な興味だけで口座開設してしまいました。
アプリからの操作だけで、口座開設とNeatCardの発行までが完結してしまうのは、なんとも新鮮です。
HSBC香港の口座開設と比べると、格段に楽ですね。
日本にいる限り使い道はないかもしれませんが、HSBC香港の口座にあるお金を日本国内で使いたい場合には便利になるのかもしれません。
引き続き、入金やNeatCardの利用について確認・まとめてみようと思います。
ただ、1つ気になるのは、サービス開始から1年くらい経っていると思いますが、Androidアプリのダウンロード数が1000ほどしかない点。
iOS版がどれくらいダウンロードされているのか分かりませんが、なかなか先行きは厳しそうな気がします。
あまり大きなお金を入金すると、あとあと面倒なことになるかもしれないので、注意したほうがよさそうです。